TOP DOWN編:メンズOP(柵木@J51さんからの寄稿)
プロローグ
今回で15回を数える、長い歴史を誇る「Lake Emerald Round Trip Race (東北オープン)」。国内では数少ないLong
Distance Raceだ。最近では参加者数が減少傾向だが、このレースだけははずさずに毎年出場を続けているセイラーも
少なくはない。このレースのみが持つ、言葉にできない魅力が彼らを惹きつけているに違いない。
風に恵まれれば綺麗な湖水の上を快調にプレーニングし、数十分で「楽しく」往復できてしまうが、微風のコンディシ
ョンになればそれこそ気の遠くなるようなパンピングが参加者を苦しめるという、両極端の性格を持つレースであるこ
とも確かだ。 果たして今年は…?、「吹きのコンディションになりますように…!」と祈るような気持ちで猪苗代
湖に向けて車を走らせた。
現地に着いてみると、台風16号の遠い影響か、右からのクロスオン、南東の風が10〜12knot程度吹いている。所々に
白波も見え、プレーニングレースになりそうだ。そわそわしながらレジストレーションを済ませた後、しばしセールサ
イズに悩むが、万が一吹き上がった場合を考えて一番風域の広いGUNsails/TSD-Race:10.9uを選択した。ただし
上りを考える必要がないので、あえてフィンはMirage:60cmと短いものをFanatic Falcon Formula TTにセットし
てスタートに備えた。
|
BOTOM UP編:メンズ10(匿名@FWレース4戦目)
プロローグ
AM5時に川崎を出発。東北道で、富士ゼロ高橋カーを発見。クラクションで挨拶し、追い越す。
本会場前のPに実連メンバがいたので、車を止める。内田さん山田さん竹田さん対馬さん井田さん松木さん・・・・他
にも、大松さん中嶋さん富田さん渡邊さん遠藤さん荒木さんダンカンさん・・遅れて高橋君と、なじみの皆さん大集合。
久々だったのでなんか楽しくなってきました。
猪苗代湖の雰囲気は、浜名湖のそれに似ている感じがした。ただこちらは、左側に大きな存在感のある磐梯山がある。
対岸の山に雲がかかっているあたりは、吹いている本栖湖の雰囲気か。海面はやや小さなうねりが出ている。これは、
穏やかな検見川浜沖の雰囲気かな。
浜には先着組の道具がかなり並んでいた。意外とFWセットが多い。対馬さんは相変わらずの9.8セット。本人いわく
「ブローホールだとスラは走らので9.8」とのこと。なるほど。という事で、私もFW 9.8セットを決意。渡邊さんはス
ラセット?内田さんはFWとSL両方出していた。
|

レース前:マーク位置確認
|
往路
12:00、Z旗掲揚。スタートエリア近辺を流してみると、ブローは意外と吹いておりフルプレーニングで走れそうな感じ
だ。ただし上り気味にノーズを向けると、ずるっとテールが流れてしまう。アビーム付近のアングルでは、いつものFW
用の70cmのフィンよりもボードトリムは楽なのだが。短いフィンを選んだことが吉と出るか凶と出るか…?
12:30、AP旗が降下された後にスタートシークエンスが開始された。アビームスタートに加えてアウターマークが引っ
込んでいるために、圧倒的に上有利。きちっと止まれるRBはライン近辺で、ショートボードは助走をつけてフルプレ
ーニングでスタートしようとラインから引き気味にして、互いにスタート時間を待つ…
12:35、オールフェアでスタート。ライン中央上寄りからいち早く飛び出したのは115富田(日本航空)、その下側を併
走するのが45-45中島(東京ガス)。上側から続くのがRB艇団のブランケから猛パンピングで抜け出したJ51柵木(関
東学園)。序盤はこの三艇がレースをリードした。
往路1/3ほどで一瞬風が抜け気味になり、後ろ足をストラップから抜くことを余儀なくされると、45-45は徐々に遅れ
始める。115はますますリードを広げ、一時J51との差は80mほどに広がる。ここで後方からするすると伸びてきた
のは、80-7小川と80-1小久保の東京都庁コンビだ。とりわけ80-7は9.8uと小さめのセールを使用しているにもかか
わらず、11uクラスの先行二艇に対して高い位置をキープし背後からプレッシャーをかける。
しかし、ほどなく風は力を取り戻し、フルパワーを得て115とJ51は逃げ始めた。往路の残り1/3ほどで先導ボートが
合流したが、ボートはこの二艇の帆走ラインよりも遙か上側へと航行し始めた。「しまった!、マークはもっと上側なの
か?」焦って風上へノーズを振るが、そこは短いフィンの悲しさ、途端にJ51のテールは流れてしまう。タックを入れ
ることを覚悟の上で角度を落とし、艇速優先で先導艇よりも風下側を走り続けると、「?」、115はもっと風下を走って
いる。目を凝らして対岸を見渡すと、自分の帆走ラインに対してかなり下側にオレンジの三角形のマークを見つけるこ
とができた。結果として上側からアプローチする形となったことが幸いして115との差を詰めることができ、対岸の天
神浜沖に打たれた折り返しマークはほぼ同時でジャイブ。115「おっしゃーぁ!」、J51「行くぜぇー!」と互いに吠え
て復路へと折り返す。この時点で、スタートからはほぼ15分経過。
|
往路
12:10出艇。今回のレースはアビーム1往復なのでFWにとってはかなり楽。そこで今回のレースのマイ目標を欲張っ
て2つ立てた。
1.スタートをスマートに切る。あわよくばトップ集団スタート
2.レースタクティクスを組み立てて走る
ジャイブして向きを修正している時、全艇がいっせいに動き出した。本部艇付近でRBが沈している。道ず多数で沈の
沼。このエリアを避けて無難に、最後方スタートを切った。という事で、欲張らないスマートなスタートにはなった。。。
FWはプレーニングしてナンボ。アビームレースである事から、無理して上らせなくても何とかなる。という事で、ブ
ローを渡り歩くようなコース取りの方針とる。
スタート直後は、一般大衆大行進軍団の一員。じりじりと集団を前進すると前方に荒木さん。「風ねーなぁ」「ほんとで
すねぇ」見たいな会話を交わしてしばし縦列並走。このままではまずい、と思い周囲の艇から隙間を取れるエリアへ逃
げ、ブローを待つ。前方にブローエリアを認識。持続性のあるエリアと判断。パンピングでプレーニングに入る。4〜
6mでムラのあるブローなので下らせ気味にして艇速を更に上げた。
前方を見ると、はるか上200m&先方1kmくらいにトップ集団3,4人、続いて直後3,4人のトップ追走軍団。自分は
そこそこ下ラインにいる。ブローエリアを渡り歩いてプレーニングと艇速維持。だが沖のマークがスキッパーズミーテ
ィングの説明位置に確認できない。
トップ集団が急に向きを変え、ガツンと下って行くのを確認。どうやら沖マークは、だいぶ下にあったらしい。トップ
集団は私のラインより下っていった!ラッキー?続いてトップ追走軍団も下ってきた!だいぶ前方が近づいてきた。
二集団の先に黄色い沖マークのブイ発見!
トップ集団がマークを回航して戻ってきているのを確認。トップはJAL富田さんと柵木さん。二人は何か会話を交わし
ている雰囲気?で楽しそうだった!点々と続く後続にに東京都小久保さん発見。検見川ローカルここにも健在!
私もマークを回航し、復路を再巡航。
|
復路
復路は最初から、115とJ51のドッグファイトが繰り広げられる。上側からJ51が抜こうとすれば先行する115は強烈
にラフィングを仕掛けてJ51のノーズを押さえ、逆に風下を突破しようとすればきっちりと風上からかぶせる。そんな
駆け引きを幾度と無く繰り広げつつ、トップをひた走る二艇は後続集団とすれ違い始めた。
「RBの集団とすれ違う時には、先行する115も自由に動いて俺をブロックすることが難しくなるはず。そこがチャン
ス…!」J51はそう考えて、往路を走る後続集団をフルプレーニングしつつもきっちりと観察する。数艇がノンプレー
ニングで止まり気味な地帯にさしかかったとき、J51はするっとラフィングして115を風上へ誘う。しかし、行く手を
後続艇に阻まれた115はJ51の仕掛けに対応することができなかった。
この一瞬で勝敗が決したと言ってもいいだろう。
風上のフリーなエリアに飛び出たJ51はすぐにベア、スピードを増して115の前方に躍り出て、あとは艇速を活かして
ひたすら逃げの一歩である。結果、復路のおよそ半分からのトップを守りきって、往復の所要時間約30分でスタート
地点の崎川浜に戻ってきた私、J51がフィニッシュラインを切った(OP・総合一位)。
約1分遅れの2位には、スタート直後にRB艇の沈に巻き込まれて最後尾からのスタートを強いられたものの、誰より
も大きいRS:4/11.6uを擁し卓越した艇速で猛烈な巻き返しに成功した305小川(東京シーガル)が飛び込んだ(マ
スターズ一位)。
115は復路途中でフィンに藻が絡まり、いったん降りてこれを取ることを余儀なくされて三位に後退、続いて四位に
45-45(OP11一位)、五位に80-7(OP10一位)、六位に80-1という結果となった。
RBクラスはフィニッシュライン直前まで熾烈な争いとなったが、15-5庄野(沖電気)がこれを制した。
グランドマスターズクラスは総合でも七位に食い込んだ555黒崎(TEARS/M.R.C.)、C8および学生クラスは112佐
藤(フォワード)、C7クラスは3塚川(一般参加)、C6クラスは1佐藤(オリックス)、レディスオープンクラスは11-3
今居(ウェットマスター)、ビギナークラスは114吉松(富士ゼロックス情報)がそれぞれ一位を占めた。
数艇のレスキューがあったものの、全艇の無事帰着が確認された後、にぎやかに表彰式と抽選会、閉会式が行われた。
今回も多くの御協賛を頂くことができ、参加者の大多数に商品が行き渡って、非常に和やかな雰囲気の中、大成功裏に
てに今大会は幕を閉じた。(文中敬称略)
|
復路
一艇がものすごい勢いでシモ後方から接近してきた!「37-23」。。。NTT対馬号!マークを下で迎えたらしい・・・37-23
は上らせたい。私は下らせたい!双方 引かない。並走は続く。最後は対馬号がタックに入って後方へ。対馬号と絡んで
る間に、かなり上ってしまった。あわてて下りをとり艇速を上げて巡航。
先行艇に、じりじりと近づいているような。。と思ったら風が弱まってきた。ブローホールだった。極力プレーニングを
維持させたが、つるつる海面が結構だだっ広かったので、とうとうプレーニングが限界に来た。ハーネスをはずし、ノ
ーハーネス省エネ走法。
後方を見る。後続艇が見えてきた!だがあせっても仕方ないのでブローを待つ。
やっと持続性のあるブローエリアが接近!チョットがんばってプレーニング:パンピングターボモードで巡航&持続。
後続との距離を縮めさせないように。。
岸が見えてきた頃からブローがやや強くなる。シモ目からフィニッシュラインをきるために少し下りに針路変更。
岸の目印建物、続いて岸のマークを確認。本部艇も確認。
もう前方に先行艇はいない。だだっ広いイージーな海面をひた走り、フィニッシュ。本部艇から遠藤さん?と永野さん
の声。よく覚えていませんが2こと3こと、会話をしたような気がします。大会運営本当にご苦労様です。
岸にはトップ勢の道具がすでに陸揚げ&談笑。トップ集団はやはり速いなと痛感。
私も陸に道具を上げようと思っているときに対馬さんフィニッシュ。と思ったらすぐ私の近くに来て「おめでとう、よ
かったね」といつもの細目の笑顔で声を掛けてくれました。この、対馬さん開口一番のなんという清々しさ!スポーツ
マンシップ、というか。。。アスリートシップというか。脱帽です。
私ももすかさず「沖マークでの(対馬号の)余計なタックがなければ、対馬さんが先行してましたから」と返した。こ
れは事実。本当の意味で対馬さんに先行したとは言えないんです。
その後、庄野さん、内田さんなど続々知り合いメンバーが到着。このとき初めて、自分のフィニッシュが先頭のほうだ
ったのだなと認識。振り返ってみれば確かに先行艇の数は少ない。という事で、結果は、総合でもシングルでした。
表彰式は17時前くらいには終了。景品抽選会もあり終始和やかに皆さん楽しんでいました。
レース参加の皆さん、大会運営の皆さん、どうもお疲れ様&ありがとうございました。
|
エピローグ
今回の大会は、風に恵まれると同時に幹事企業の方々の多大なるご尽力の成果により、その成功を納めたと言えるだろ
う。国内では唯一とも言えるLong Distance RaceであるLake Emerald Round Trip Race (東北オープン)は、ウィ
ンドサーフィンの持つ「冒険」という他に代え難い魅力をもって、過去に多くのウィンドサーファーを猪苗代湖に集め
てきた。残念なことに、運営スタッフ員数の確保等の問題から来年はその開催が危ぶまれているとも聞く。種々の困難
はあろうことは承知の上ではあるが、参加選手としてなんとか大会の存続をお願いしつつ、大会レポートの筆を置かせ
ていただく。
最後に私事ではあるが、一言…
私、J51柵木をサポートしていただいてるドイツの総合ウィンドサーフィンメーカー、GUNsailsの創始者で社長でも
あらせられるEberhard von Osterhausen氏は、今大会の直前、8月15日に自家用飛行機の事故で急逝されました。
彼の不慮の死に対し深い哀悼の意を表し、私へのこれまでの物心両面にわたる暖かいサポートに深甚なる感謝を申し上
げるとともに、今回の優勝を天国の彼に捧げさせていただきます。
Vielen Dank, Ebi. Ich gewann die Rasse.
|

第15回 東北オープン 参加者

レース結果
|